子どもが大好きなジュース。親御さんにとっても「たまにはいいかな」と思って買ってしまう身近なおやつです。しかし、そのジュースにどれくらい砂糖が入っているかご存じでしょうか?
「甘くておいしいけど、飲みすぎはよくない」ということは何となく知っていても、具体的な砂糖の量を意識することは少ないのではないでしょうか。
この記事では、人気のジュースに含まれる砂糖の量を比較し、虫歯や健康への影響、ジュースを飲むときのポイントをご紹介します。お子さまの歯と体を守るために、ぜひ参考にしてください。
世界保健機構(WHO)のガイドラインでは、必要な砂糖の量を1日の総エネルギー摂取量の10%未満(約50g)、さらに健康効果を高めるには5%未満(約25g)に抑えることを推奨しています。体格や運動量によっても変わってきますが、小学生の場合は 20〜25g未満 が目安となります。この摂取量には、お菓子や調味料に含まれる砂糖も含まれるため、量や種類に注意が必要です。
それでは実際に、よく知られている飲み物にどれくらいの砂糖が含まれているのか見てみましょう。(※角砂糖4gで計算しています。)
こうして並べると、ペットボトル1本で角砂糖8〜15個分の砂糖を摂取していることになります。お子さまの1日に必要とする砂糖の目安量(約20〜25g:角砂糖およそ5〜6個分)を、ジュース1本であっという間に超えてしまうのです。
砂糖は虫歯菌の大好物です。ジュースを飲むと口の中で酸が作られ、歯の表面(エナメル質)が溶けやすくなります。特に「ちょこちょこ飲み」をすると、常に口の中が酸性状態になり、虫歯が一気に進行するリスクがあります。
糖分の過剰摂取は肥満につながり、将来的に糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。成長期のお子さまにとっては、骨や筋肉の発達にも影響しかねません。
糖質を多く摂取すると血糖値が急上昇しますが、その後急激に低下することがあります。この血糖値の変動が大きいと、イライラや不安感を引き起こすことがあり、子供たちの感情や行動に悪影響を及ぼすことが指摘されています
「ジュースはダメ!」と完全に禁止するのは現実的ではありません。大切なのは、上手に選んで付き合っていくことです。
毎日ではなく、特別な日やお出かけのときだけにするなど、飲む回数をコントロールしましょう。
500mlのペットボトルを一度に飲まず、家族でシェアするなどの工夫すると摂取量を抑えられます。量が多く見えるように細長いグラスに入れたり、氷を入れたグラスに注ぐというのもおすすめです。
普段の水分補給は水や麦茶がおすすめです。糖分を含まない飲み物を習慣にすることで、自然とジュースの頻度も減らせます。
すぐに歯みがきできないときは、うがいや水を飲むだけでも口の中の酸性環境を中和する効果があります。
ジュースにどれくらい砂糖が入っているかを「見える化」して子どもに伝えるのも効果的です。角砂糖を実際に並べて見せると、子ども自身が「飲みすぎないようにしよう」と意識するようになります。
また、甘みがほしいときは果物や自然な食材から摂るようにすると、ビタミンやミネラルも同時に補給できて健康的です。
ジュースは手軽でおいしい反面、砂糖がたっぷり含まれています。コーラやミルクティーなどは、ペットボトル1本で1日の推奨量を大きく上回る砂糖が入っていることも少なくありません。虫歯や肥満、生活習慣病のリスクを考えると、毎日の飲み物としてではなく「特別なおやつ」として楽しむのが理想です。
親子で一緒に砂糖の量を確認しながら、上手にジュースと付き合っていきましょう。お子さまの歯と健康を守るためにも、普段の飲み物選びから意識を変えてみてはいかがでしょうか?
なかの歯科医院では、管理栄養士による食育に関するアドバイスや虫歯予防の相談も受け付けています。
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記事監修 Dr.中野 純嗣
なかの歯科クリニック
院長 中野 純嗣