虫歯治療
虫歯の治療といった最も基本的な歯科治療のことです。 そして、この虫歯が日本では歯を失う要因となっています。 なぜ、虫歯になるのか、また、どのように症状が進行していくのか図解とともに解説していきます。
歯の表面部分、一番外側の部分をエナメル質といいます。エナメル質は人間の体の中で最も硬い組織で、水晶と同じくらいの硬さがあります。厚みは2~3ミリほどあり、歯に対する様々な外部刺激から歯髄(歯の神経が通っている部分)を守っています。
エナメル質の下の層にある組織です。歯の大部分を構成している、歯の主成分です。エナメル質よりも柔らかい組織であるため、虫歯は象牙質に達した後は、侵食スピードが加速します。また、象牙質に刺激が加わりますと痛みを感じます。
歯の中心部に流れる神経が通っている組織です。歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。歯髄には痛みを感じるということ以外にも、象牙質の形成や歯への栄養の供給、炎症などの刺激に対する防御反応などの役割があります。また、「歯の神経を抜く」といった場合、これらの組織をすべて取り除くことを指します。これを専門用語で「抜髄」(ばつずい)といいます。
歯根の象牙質の表面を覆っている組織です。歯根膜と呼ばれる結合組織をつなぎとめる役割をしています。
歯槽骨(歯を支えている骨)と歯根の間にある薄い膜のことです。歯と歯槽骨を繋ぐという役割のほか、「噛み応え」を感じるという役割や、歯に伝わる咬合力を調整するという役割もあります。噛んで痛みを感じる時には、この部分に炎症があります。
歯を支えている骨のことです。通常、歯は簡単に抜けることはありませんが、歯周病が進行すると歯槽骨や歯根膜が破壊されるため歯を支えることが出来なくなり、歯が抜けてしまうことがあります。また、歯周病で一度無くなってしまった歯槽骨は、どんなに良い治療を行なったとしても回復が非常に困難です。
いわゆる「歯茎」です。正しくは歯肉(しにく)と言います。歯茎は歯槽骨を保護する役割をしています。ここに炎症を引き起こした状態を歯肉炎といいます。さなざまな病気のシグナルがこの歯肉に現れることが多いので、歯肉の検査はとても重要です。
この程度なら再石灰化が期待できますので、しっかり磨いて進行を防ぎましょう。
エナメル質(歯の白色半透明の硬い部分)の表面が酸によって白く濁った状態、もしくは溝が茶色になった状態です。
見た目にはほとんどわかりづらい、虫歯の初期状態です。
ここまで進行すると、もう再石灰化はほとんど期待できません。
また、この時点では、まだ痛みを伴う自覚症状はほとんどありません。
穴の状態が小さいうちに治療しましょう。
エナメル質内に細菌が進入して穴が空いた状態です。
ここまで進行すると、冷たい水や風がしみるようになります。
また、この時点では、まだ痛みを伴う自覚症状はほとんどありません。
象牙質まで細菌が進入した状態です。
象牙質はやわらかいので、虫歯は中で大きく広がります。
熱い食べ物や飲み物がしみてきて、ズキズキ痛み出します。
痛みを感じる神経が含まれている歯髄と呼ばれる箇所に細菌が進入した状態です。
細菌が進入すると炎症を起こし激しい痛みを感じます。
これを歯髄炎といいます。
上記の状態、歯髄炎を放置すると、その痛みはある日なくなります。
それは治ったのではなく、神経が死んでしまって感じなくなっているだけなのです。
さらに放置すると、根の先から歯根膜に炎症が起こり、硬いものを噛んだりすると痛みや違和感を感じるようになります。
歯の根だけが残る末期症状です。ご自身の歯を失うことになります。